雲を切り裂き、グンと上昇する特殊な自動車、飛行機。
中から見渡す真っ白な雲。
それぞれに形の違う、その雲の山脈を眺められる機会は
少なく、美しい風景を、ずっと眺めていました。
転じて地面の上。 合宿へと向かうシャトルバスに乗り
ながら、やはり外の風景を眺めていると、まずは植生の
違いを認識。
空港近くの街路樹は全て南国の樹木で、その合間には
真っ赤に映える花々が咲いています。 広い道路に青い空、
南国の植物。 異境、宮崎は綺麗です。
と、そう思っていたのですが、道を進むにつれて、熱帯の
植物は身を潜め、愛知と変わらぬ只の森へと車は進みます。
快適な合宿生活を夢想していたのがそれこそ夢だったか
のようにバスは一車線、二車線などという数え方など、
無意味に思えるあぜ道へ。 夢は砕ける。
着いた先は自動車教習所で、何故か、聞いていた学校名
とは違う名前の会社が運営。 屋外のカフェテラスでは、空を
虚ろに見上げる男達が椅子に乗っかっています。
胡散臭さが
飛躍的に上昇。
二人部屋だと聞いていた宿も実際は六人部屋で、遊べる
場所も、話と違って山の中なので全くありませんでした。
騙されたようです。
初日から実際に運転をしたのですが、それを終え、テラスの
虚ろな人々は、全員イメージトレーニングだと知りました。
口ばかりの大学生協に悪罵を吐き散らしながら、さて、
頑張って免許を取ります。
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